幸せで楽しいいつもの時間が流れるなか、
何の前触れもなく突然死が訪れる。
それも寿命と頭では理解できても、心は理解できるはずもなく、
そんな悪夢としか言いようのないこの現象、
その原因の一つに拡張型心筋症という疾患があります。
去年旅立ったドーベルマン ルナ
彼女は1歳の時に拡張型心筋症と余命半年と診断され、1
1歳6か月で旅立つまで心臓のお薬を飲んでいました。
心エコーで見る彼女の心臓は、止まりそうな動きしかしていません。
でも、最後は乳癌で亡くなりました。
ドーベルマンの心筋症と言われるぐらい、とても特異な経過を辿ります。
拡張型心筋症は英名Dilated Cardiomyopathyを略してDCMと呼ばれ、
その名の通り心臓が次第に弛緩し大きく拡張していく疾患です。
心臓が大きくなると言ってもただ全体的に大きくなるだけではない。
何らかの理由により心臓の筋肉が障害を受けて弛緩し、
収縮力と心筋の厚みを失って行くことが心臓の大きさを変える、
つまり心臓の筋肉が伸びて薄くなっていく、そういう疾患です。
そして、突然死は
心臓が収縮力を失ってゆくにつれ、血流ポンプとしての心臓の働きは弱まっていく一方で、運動時など全身に酸素が必要であるとやはり激しく稼働せねばならず、
その激しい稼働に疲れ果てたとき、心臓は薄くなった心筋を収縮することが出来ず、
死に至る。収縮不全がおきます。
ヨーロッパのドーベルマンのDCM有病率は2歳以下で3.3%、2-4歳9.9%、
4-6歳12.5%、6歳以上で43%を超え、累積すると約58%がDCMに罹患しているということになるそうです。
アメリカとカナダでも45-63%の有病率であるから、ヨーロッパと大差はない。
ルナの場合を考えると、
心臓はどうなっていたのか不思議なぐらいです。
24時間ホルター検査もしましたが不整脈はありません。
咳などの症状もなく、良く動き、良く食べていました。
症状のでない心筋症・・・ドーベルマンはこのパターンが多いと感じます。
無症候の拡張型心筋症のリスクを減らすことはできないのか・・・
一つに心臓の血液検査があります。
今、我家でデーターをとっています。
9月頃に揃う予定です。
ドーベルマン オーナーの方には、
今、目の前にいるパートナーが元気であっても、
検査をしてください。
心エコーでスルーする部分も、特殊な血液検査で数値を見る事が可能です。
せめて愛犬に発症の可能性があることでも分かれば、
投薬など早めの対処で愛犬の寿命を延ばしてやることだって出来ます。
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